当院では、次のような鼻・耳の症状でお困りの方を対象に診察・治療を行っています。
鼻・副鼻腔の症状
- 鼻づまりが長く続いている
- 黄色や緑色の鼻水が出る、のどに回ってくる(後鼻漏)
- においがわかりにくい、まったく感じない
- ほおや目の奥、額の重さ・痛み(頭重感、頭痛)
- 鼻の中にポリープ(鼻茸)を指摘されたことがある
耳の症状
- 中耳炎をくり返している
- 耳だれ(耳からの分泌物)が出たり止まったりしている
- 聞こえにくさ・耳がつまった感じが続いている
- 鼓膜に穴があいている(鼓膜穿孔)と言われた
これらの症状が長引く場合、慢性副鼻腔炎や慢性中耳炎など、外科的治療も選択肢となる病気が隠れていることがあります。まずは現在の状態を詳しく確認することが大切です。
症状や視診だけでは、鼻副鼻腔や中耳の詳しい状態は分かりにくい場合があります。当院では、必要に応じて次のような検査を組み合わせて評価します。
鼻内視鏡検査
細い内視鏡を鼻の中に入れて、鼻腔や副鼻腔の入り口、鼻茸の有無、膿のたまり具合などを直接確認します。局所麻酔スプレーを使用し、できるだけ痛みの少ない方法で行います。
CT(レントゲン)撮影
慢性副鼻腔炎の詳細な状態や、手術の必要性を判断するために、CT撮影をお願いすることがあります。院内での撮影のほか、より精密な画像が必要な場合は、連携している画像センターや病院での撮影をご案内します。
聴力検査・鼓膜の観察
中耳炎や鼓膜穿孔が疑われる場合は、聴力検査や鼓膜の状態を確認する検査を行います。聞こえの程度や中耳の圧力の状態を調べることで、鼓膜形成術などの適応を判断する材料になります。
慢性副鼻腔炎や慢性中耳炎の治療は、まず内科的(薬物)治療から始めるのが基本です。当院では、症状や検査結果をもとに次のような治療を組み合わせて行います。
内服薬・点鼻薬
- 抗菌薬:細菌感染が疑われる場合に、炎症をしずめる目的で使用します。
- ステロイド点鼻薬:鼻茸や強い炎症がある場合に、局所の炎症を抑えるために使用します。
- 去痰薬・抗アレルギー薬:鼻水や後鼻漏、アレルギー性鼻炎が合併している場合に使用します。
ネブライザー治療
鼻やのどに薬剤を霧状にして直接届ける治療です。局所の炎症を抑える効果が期待できます。
生活指導
鼻を強くかみすぎない、禁煙、適切な加湿・保温、上気道感染を予防する生活習慣などについても、必要に応じてお話しします。
これらの治療は、効果が現れるまでにある程度の期間が必要です。通院の回数や期間については、診察時に分かりやすくご説明いたします。
次のような場合には、外科的治療(手術)も視野に入れて検討します。
- 十分な期間の薬物療法でも、副鼻腔炎や鼻茸が改善しない
- 鼻づまりやにおいの低下が強く、日常生活に大きな支障がある
- 耳だれや聞こえにくさがくり返し、鼓膜の穴がふさがらない
- CTや聴力検査の結果から、手術が有効と考えられる
すぐに手術を決めるのではなく、ご本人・ご家族と相談しながら方針を一緒に決めていきます。
薬物療法で十分な改善が得られない場合や、画像検査・内視鏡検査の結果から手術が有効と判断される場合には、外科的治療を検討します。
副鼻腔内視鏡手術(ESS)
鼻の穴から内視鏡と専用器具を入れて、副鼻腔の通り道を広げ、膿や病変を除去する手術です。顔の外側に傷を作らずに行えるのが特徴です。
主な対象となるのは、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、鼻茸を伴う副鼻腔炎などで、日常生活に支障の大きい鼻づまりや嗅覚障害がある方です。
鼓膜形成術
慢性中耳炎などで鼓膜に穴があいてしまった状態に対し、自分の組織を用いて鼓膜を修復する手術です。耳だれの再発予防や、聞こえの改善が期待できます。
当院では、これらの手術が必要と判断された場合、連携する耳鼻咽喉科専門施設での手術を基本とし、術前・術後の診察や経過観察を当院で担当する形をとっています。
副鼻腔内視鏡手術や鼓膜形成術は、多くの場合、他の専門施設で実際の手術を行いますが、当院はその前後を通じてフォローを行います。
手術前
- 現在の症状や既往歴、内服中のお薬の確認
- 必要な検査結果の整理と紹介先への情報提供
- 手術の目的や大まかな流れ、注意点の説明
手術直後〜退院後
- 創部や鼻・耳の状態、感染徴候の有無の確認
- 薬の飲み方、点鼻薬・点耳薬の使い方の確認
- 日常生活・お仕事・学校への復帰時期の目安のご相談
フォローアップの頻度や期間は、手術内容や経過によって変わりますので、その都度ご説明いたします。
- 強く鼻をかまない・耳に水を入れないようにする
- 処方された薬は指示通りに続ける
- 発熱・強い痛み・大量の出血や耳だれがあれば早めに受診
- 術後しばらくは、激しい運動や飲酒を控える
- 心配なことがあれば、次の受診日を待たずにご相談ください
他医療機関への紹介
高度な手術や入院が必要となる場合には、設備や人員の整った耳鼻咽喉科専門病院・総合病院をご紹介します。
- これまでの診察内容や検査結果を整理した紹介状を作成します。
- 患者さんやご家族のご希望をうかがい、可能な範囲で希望に沿った医療機関を検討します。
- 紹介先での治療が落ち着いた後は、必要に応じて当院での経過観察・再診を行います。
「手術を受けるかどうか迷っている」「どこに相談したらよいか分からない」といった段階でも、お気軽にご相談ください。